美容師が使うハサミと一般に売ってるハサミその違いとは?

やっぱり違うの?
美容師が使うハサミと一般に売ってるハサミその違いとは?

「美容師さんが使うヘアカット用のハサミと、一般に売っているハサミはやはり違うものですか?」
とのことですが、やはり私たち美容師が使うハサミと、一般に工作やオフィス用に使われるハサミは大きく違います。
両者の一番の違いを挙げるとすれば、その切れ味です。例えば、美容師が使うプロ仕様のハサミは「仮に指を切った場合も骨以外はスパッと切れてしまう」刀のような鋭い切れ味のハサミです。


使用感のイメージでお伝えすると
市販のハサミが『ザザザっ』という感じなのに対し、『サササっ』といった感じでスムースにストレスなく切れます。

あとは一般的なハサミと根本的に素材の材質が違います。プロ用は純コバルト、コバルト合金一般用はステンレス、鋼など
違いはプロ用のハサミの方が材質が硬く非常に錆びにくいそれにより切れ味をさらに保つことができます。

切れ味の鋭いハサミで髪をカットすることでヘアケアの観点から髪をダメージしにくくすることができます。実際、切り口(断面図)を顕微鏡などで見てみると一目瞭然ですが、切れ味の鋭いハサミは、その切り口がとても綺麗な状態になっています。一方で、一般に工作やオフィス用で使われるハサミで髪を切ってしまえば、断面図はボコボコした状態に。このボコボコした切り口の髪の毛は、ダメージしやすく、どんどん枝毛になっていってしまいます。
なのでヘアケアの観点からするとセルフカットより美容師に切ってもらうことをおすすめします。

美容師はお客様により良いデザインを素早く丁寧に仕上げるためにハサミ(シザー)もこだわっています。
大体の美容師さんのハサミは会社から支給されるものでなく自前のハサミを自分の仕事に合わせてオーダーメイドのシザーを使っています。(板前さんがマイ包丁使うのと同じですね)

見覚えありませんか?
美容師さんが腰や肩からぶら下げてるバックの中に沢山ハサミが入っているのを。
デザインを作る上で用途に合わせて使い分けてるんです。(板前さんが出刃包丁、刺身包丁などで使い分けしてるのと同じです)

一例として私のシザー(相棒)をご紹介します。

ブラントシザー


私が1番使うシザーです。
デザインの形を作るのに使います。
このシザーは美容師さんの手に合わせてオーダーで作ってもらうことが多いです。
私の場合は手が大きく指が長いので6.8インチ
の大きいシザーを使っています。美容師さんのなかには5インチなど小さいシザーを使う方もいます。

オーダーなのでイニシャルなんかも入れちゃってますw

セニングシザー


いわゆるスキバサミですね。
私は用途に合わせて1回の開閉で40%切れるシザーと15%しか切れないシザーを使い分けます。
いっぱい切れるシザーは男性や髪の多いお客様に使い
少ししか切れないシザーは前髪や女性お客様の微妙な量感調整に使います。

市販に販売されてるとは30%から40%と割りと沢山切れセルフカットで調子よく切ってるとポッカリ穴が空いたりスカスカにすいてしまい短い毛でまとまらなくなるミスがあるのでご注意。

ドライシザー


乾いた髪を切るシザーで仕上げの質感調整で使います。(トップの髪の毛を切るときに空中でハサミを振ってるの見たことないですか?
あれの時に使うシザーです。
ブラントシザーと違いスパっと切れないように刃先が丸くなっています。女性の顔周りの柔らかい印象を作るのに使ったりトップのふわっとした雰囲気になるように美容師の感性で使います。

こういったハサミ(シザー)といろいろな切り方でお客様を素敵させて頂いております。

以上 一般のハサミとの違い分かっていただけましたか?我慢できなくてセルフカットする気持ちも分かりますが切るときはご注意くださいね。